「クジラアタマの王様」が出版されたのは2019年7月。
読んでみて驚きました。
この小説はこのタイミングで出版されるべきものだったということに。
何の先入観もなく手に取ってほしい一冊です。
エンターテイメント小説、ファンタジー小説好きの方
著者紹介
伊坂幸太郎
1971年生まれ
2000年「オーデュポンの祈り」で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞して文壇デビュー。
ストーリー構成
4章に分かれているます。
- 第一章 マシュマロとハリネズミ
- 第二章 政治家と雷
- 第三章 炎とサイコロ
- 第四章 マイクロチップと鳥
目次を読んで、物語がコミックからスタートしたので、「これラノベだった?」と思ってしまいました。
読み終わった今は、どの章のタイトルも「なるほど!」と思うですが、最初に読んだ時、章のタイトルから内容が想像できませんでした。
クレーム電話を受けたこと、ありますか?
突然ですが、お客様からのクレーム電話の対応をしたこと、ありますか?
私はあります。
第一章は主人公の岸が勤める会社のできごとから話が進みます。
強烈なクレームを受ける場面がでてきます。私は自分に起こったことが頭の中をフラッシュバックして、ちょっと辛くなり、途中で読むのをやめようかと思ってしまいました。
そのくらいリアルでした。
そして社員を含めた登場人物が「あ~こんな人いた」って思えて身近すぎてきつかったです。
でもそこを乗り切れば次はジェットコースターに乗っているように、途中で読むのをやめることは難しくなり、結局一気読みしてしまいました。
私のトラウマ体験など大したことはなかったということですね。
この本が挑戦しているもう1つの魅力
ページを開くとイラストからスタートするのです。
一瞬ラノベ?と思ったのもそれが理由の一つです。
ゆる~いタッチのコミックが要所で登場します。
このコミックにはもちろん意味があるのですが、先入観なしで読んで欲しい(=ネタバレしたくない)ので、コミックの部分もちゃんと目を通しましょう!とだけ言っておきます。
コミックを入れた意図はあとがきで著者がコメントしていますので、謎解きはその時に。
クジラアタマの王様とは?
最初に気になったのは、このタイトルでした。
クジラアタマの王様とは動物のハシビロコウのラテン語名だそうです。
ハシビロコウは翼長2mにもなる大型の鳥で、広いクチバシが特徴的でじーっとして動かない鳥です。
ちょっと笑っているような、ふてぶてしいような、何とも言えない姿ですね。
最後に
ネタばれ、というか先入観を持たずに読んで欲しいので、この小説は現実の要素中にファンタジーの要素を含んでいる、とだけお伝えしておきます。
ハシビロコウからスタートするこの話、これ以上の先入観を持たずに、是非お楽しみください!
そして、ベストのタイミングで出版されたということも実感してほしいと思います。
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今日も最後までお読みいただきありがとうございました。